静岡東部出版のルーツと強み

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地方から始まる、―「静岡東部出版」の航海

2025年5月、有限会社内田商会は、新たに「静岡東部出版」として出版部門に本格参入しました。

同社は元々、機械部品加工や飲食店業、映像制作など多角的な事業を展開してきましたが、今回の出版業への挑戦はまさに「地方発の文学発信」を実現する一歩といえるでしょう。

「日陰の言葉探し」というキャッチフレーズの下、同社は少部数発行を前提に、作家の声を大切にする“作家ファースト”のスタンスを掲げています。


“少部数×独自マーケティング” で価値ある一冊を届ける

大手出版社に比して小規模ながら、その強みは「少部数発行」にあります。必要以上に印刷部数を見積もらず、読者との距離感を重視したエディトリアル戦略を採用することで、作家の本来の想いをより鮮烈に伝えられるようデザインされています。

また、マーケティングも独自路線。SNSや地域メディア、オンライン書店との協業など、既存の流通に頼らない独自の販路を拡大。たとえば、沼津市内のリアル書店とのイベント開催や、同市を訪れる観光客向けの限定フェアなど、地域との接点を大事にしながら全国展開を見据えているのが特徴です。


最初の旗振り役『帳月(とばりづき)』――純文学の新星を迎えて

記念すべき第一作として刊行されたのは、地元・静岡県出身の純文学作家、宇田侑平氏による小説『帳月』です。2025年春に文彩堂出版から刊行された初版から反響を呼び、2025年6月15日には、加筆修正、装丁変更が加わり、第二版が発売されました。作品への期待と静岡東部出版の発信力が重なって生まれた成果といえます。

作品の内容には、言葉が触れられなかった美しさにより深く迫る表現が散りばめられており、「読むことで自分の輪郭を再確認できる」文学と評されるほど。その世界観を正確に伝えるため、装丁・編集・コピーに至るまで作家と編集部の対話を最重要視しています。


地方拠点から全国へ——広がる展望

静岡東部出版が目指すのは「地方に根差しながら、日本全国の文学地図に横線を引く」存在です。地方文学や新興作家の発信の場として沼津を起点に据え、地域の魅力とともに作品を届けていく姿勢は、多くの作家や読者から注目されています。

今後は、次作ラインナップや新進気鋭の作家の発掘はもちろん、文芸イベントの主催や地域連携プロジェクトも構想中とのこと。新刊刊行に合わせ、静岡の文化や歴史を絡めたトークイベントを開くなど、単なる出版レーベルにとどまらない多次元的展開を目指しています。


「作家ファースト」で支える、静岡東部出版の未来地図

  • 少部数出版:必要最小限で最大限の語りを

  • 作家との緊密な協働:言葉に寄り添う編集体制

  • 独自マーケティング:地域密着×オンライン発信

  • 地方から全国へ:沼津を舞台に広がる文学の地平

こうした戦略のもと、静岡東部出版は「作家が主役、読者が共感者」という文学の本質に回帰しながら、その舞台を全国に広げようとしています。


今後の展望

静岡東部出版(有限会社内田商会)では、作品の原稿持ち込みやコラボレーション企画への相談を随時受け付けています。

小説家、音楽家、ビジネスマン、営業マンなど、様々な業種への繋がりを展開していく予定です。

地元・静岡から、全国の読者の心に響く一冊を――静岡東部出版のこれからの歩みに、どうぞご期待ください。

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